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アホダマ〜!(梨本小鉄先生の名台詞)
梨本小鉄。この小汚いジャンバーを着たニット帽にチョビヒゲの男を
ジャンプの新連載予告で見た時のショックは今でも忘れられない。
『アカテン教師梨本小鉄』は落ちこぼれクラスを独自の教育論で
学年一優秀なクラスに育て上げるさすらいの代打教員梨本先生の話。
その教育論とは!
『数学の授業で博打の問題を出し、不正解だと賭金を巻き上げる』
『実力考査対策!授業で小鉄流カンニングの特訓』
など、およそ教師とは思えない行為ばかり。
まともに教育カリキュラムに則った授業をしてるコマは1コマもない。
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問題を見てニタリとする梨本小鉄先生。
こんなダーティな主人公がいたでしょうか?
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さらに小鉄先生には『賭博場で鍛えたハナでテスト問題を100%当てる』という
・・なんじゃそりゃ?な特殊能力がある。この能力とカンニング戦略で
小鉄先生が担当したクラスは見事学年一優秀な成績を収めるのです
・・て、果たしてこれでいいのでしょうか!?
強運の秘密は背中にあった。
でも、かゆくないのかなあ・・。
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常勝無敗
小鉄先生は根っからの博打打ち。教師相手に生徒のテスト平均点で勝負をしたりと、
とにかく何でも博打に結び付けます。そして常勝無敗、つまり負けたことがないのです。
常勝無敗の秘訣は背中に貼った開運の御利益ある ”宝木(しんぎ)”という御札六枚。
ここらへんからいよいよ 物語が楽しい方向でヘンになって行きます。
名企画『全日本有能教師コンテスト』編の予兆だったと言えるでしょう。
ちなみに作者の春日井恵一先生は自他に認める道楽者で、
単行本にはところせましと自身や友人の話を掲載しています。
写真付きで。
ジャンプという超メジャーなメディアで
ここまでローカルな雰囲気を醸し出すとは本当に恐るべし。
小鉄先生よりも作者の方が前面に出た仕様になってるヨ!
物語の要所要所に添えられる吉田拓郎の詩にも注目 (作者は大の拓郎ファン)。
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全日本有能教師コンテスト(優勝賞金1,000万)
物語の佳境『全日本有能教師コンテスト』編 (正式名称『”戦場”の7人+1』編)
には本作の魅力である
『ヨットスクールのスパルタ教師』
『インドの山奥で修行した謎のネパール人教師』
『教室にバイクで突入する爆発教師(元交通機動隊)』
『予備校の巨大コンピュータ』
など個性的にテンパった教師がたくさん登場します。
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ここでも小鉄先生は親友の芸能レポーターを使って
参加教師達のトラウマを暴き試合放棄に追いやるという
ダーティの名に恥じない戦略を展開。惚れ惚れするぜ。
残った教師のクラスとの試験平均点勝負は得意のカンニングに失敗した(生徒が答えも覚えられねぇ正真正銘のバカだった)ものの、妨害で勝利。
『天に向かって唾を吐く!』は小鉄フリークには常識の名言。
で、決勝は御存知コンピュータ教師との野球拳。
手首の動きでグーチョキパーを判別するコンピュータ教師に苦戦を強いられる小鉄先生だったが
究極奥義『ジャックダニエル三本一気呑み』で
逆転勝ち。これは酔うことでコンピュータに予測不能な動きを得る技。良い子は真似しないように。
さて今度は何処の街で”花火”を上げてやろうかな!!
優勝したものの、教育委員会にダーティ行為がバレてしまった小鉄先生は退職処分!
新たな職場を求めさすらいの旅に出たのだった。完・・・何か凄い終わり方な気がするのは多分気のせいでしょう。
以上ですが、これで『アカテン教師梨本小鉄』の全て網羅できたワケでは到底ありません。
本作は他にも『生徒会会長選挙』や『大吸死臭怪爆弾』といった逸話が満載です。
興味を持った人は是非単行本を購読して下さい!
相手の弱さを教える事が人間教育の第一歩よ!
梨本小鉄は文句無しのアカテン教師。それでも生徒達から慕われる。
生徒達は最初こそ小鉄先生の無茶苦茶さに疑問を抱くが
すぐに小鉄先生が素晴らしい教育者であることに気付く。
生徒達は小鉄先生から人生を、真っ直ぐな生き方を、そして勝利への執念を教わる。
当時小学生だった俺も小鉄先生から受けた影響は計り知れない。
オモシロ要素いっぱいの本作だが実は立派な教師マンガだったということを
どうか忘れないで欲しい。
ミラーボール
余談。俺の部屋にはおもちゃのミラーボールが飾ってあるのだが、
何という偶然か、小鉄先生の部屋にもミラーボールが飾ってあったのだ!
もっとも小鉄先生のは ※ディスコからかっぱらったホンモノなのだが・・。
単行本を探し当てたのがようやく最近。連載から10年以上の時を要したわけだが、
知らず知らず梨本小鉄先生と同じオブジェをチョイスしてた自分が妙に嬉しいぜ。
※小鉄先生には 色々あって ディスコのミラーボールを盗む習性があります。
詳しく知りたい人はコミックスを探せ!
(2000/10/08)